嗚呼ここはなんて生き辛い世界なんだろう。――無造作に振り下ろした如月の向こうに恐怖に歪む男の顔を認め、美香は嘆息すると共に肩を落とした。
 完全に切っ先を下ろし、極めて無防備に見えた背へと襲い掛かった別の男が肉塊と化す。

 撒き散らかされる鮮血に如月が歓喜の声を上げた。



「アーメン」



 冗談交じりにそう言っている間に、切り捨てた最後の一人が塵と化す。
 久々にちゃんとした〝食事〟をしたせいか、急に静かになった如月から誰もいないストリートへと目を移し、美香は刀を納めた。
 キンッと澄んだ音がして、それきり静寂が落ちる。



(易い免罪符・・)



 かくあれかし。最後にもう一度その言葉を口にして、美香はその場を後にした。





 かくあれかし。本当に、貴方様の仰る通りです。故に私達が貴方様の意思に則って犯す罪を罪と問わないで下さい。かくあれかし。私達は貴方様の忠実な僕であり、その意思のまま動く手であり足であるのですから。





次は「こ」
M.Age.より如月美香嬢