うっすらと外が明るみ出した頃。重たい体を起こして脇に置いていた紐で髪を結い上げる。青色がかった髪を手際良く上の方で一つにまとめあげた。
「起きたか?」
部屋の窓の外から、聞き慣れた声が掛けられる。そうは言っても、実際は口頭での会話では無くて、彼の声は頭に直接話しかけてくるものだ。
「見たら分かるでしょ、それぐらい」
寝起きで声が多少低くなって機嫌が悪そうだが気にする程では無い。
「今日の仕事は?」
姿を見せない相手に問い掛けて、キッチンの方に歩いて行く。生活にいる最小限のものしか無い質素な部屋。
「あるにはあるが…」
冷蔵庫から冷えているミネラルウォーターを取り出し口を付けた。他にあるものを見れば、野菜ジュースにコーヒーゼリー、チーズ、梅干し。朝食になりそうなものがない事は分かっていたが、さすがに買い物の必要性を感じた。
「…ちと厄介だ」
「厄介?」
テーブルに置いてあるお菓子を口に放り込み、話をしている相手を振り返る。窓だ。そこには窓しかない。カーテンがきっちりと閉められた、窓。そのカーテンに映る、影。鷲の様な、しかしそれは鷹の影であった。
「彼奴が絡んでる、らしい」
その言葉を聞いて、身体が何より先に反応した。緊張感が全身を走り抜け、自分の部屋だと言うのに珍しく戦闘態勢に入れるまで身体が準備を済ませていた。
無論、彼奴と呼ばれた者がここに来る事は、現段階では有り得る事では無いのだけれど…。
「やるよ、それ」
恐怖に身を震わせながらも、その言葉を紡いだ少女は楽しそうに笑っていた。
夢にまで見ていた旧知との再会を何年かぶりに控えたその日の朝日は、眩しくなかった。
「起きたか?」
部屋の窓の外から、聞き慣れた声が掛けられる。そうは言っても、実際は口頭での会話では無くて、彼の声は頭に直接話しかけてくるものだ。
「見たら分かるでしょ、それぐらい」
寝起きで声が多少低くなって機嫌が悪そうだが気にする程では無い。
「今日の仕事は?」
姿を見せない相手に問い掛けて、キッチンの方に歩いて行く。生活にいる最小限のものしか無い質素な部屋。
「あるにはあるが…」
冷蔵庫から冷えているミネラルウォーターを取り出し口を付けた。他にあるものを見れば、野菜ジュースにコーヒーゼリー、チーズ、梅干し。朝食になりそうなものがない事は分かっていたが、さすがに買い物の必要性を感じた。
「…ちと厄介だ」
「厄介?」
テーブルに置いてあるお菓子を口に放り込み、話をしている相手を振り返る。窓だ。そこには窓しかない。カーテンがきっちりと閉められた、窓。そのカーテンに映る、影。鷲の様な、しかしそれは鷹の影であった。
「彼奴が絡んでる、らしい」
その言葉を聞いて、身体が何より先に反応した。緊張感が全身を走り抜け、自分の部屋だと言うのに珍しく戦闘態勢に入れるまで身体が準備を済ませていた。
無論、彼奴と呼ばれた者がここに来る事は、現段階では有り得る事では無いのだけれど…。
「やるよ、それ」
恐怖に身を震わせながらも、その言葉を紡いだ少女は楽しそうに笑っていた。
夢にまで見ていた旧知との再会を何年かぶりに控えたその日の朝日は、眩しくなかった。
次は「き」